[QGIS]ジオリファレンスを使って紙地図に位置情報を付加する

スキャナで取り込んだ画像ファイルに位置情報を付ける事をQGISやArcではジオリファレンスと呼んでいます。
(会社で使っているSISでは「ラバーシート」なんて読んでいたりもします)

QGISではジオリファレンスによって、GeoTiffを出力するか、ワールドファイル(wldファイル)を作成することが出来ます。

さてさて、私事ですが田舎の土地の所在がわからなくならないように、地籍図集成図なるA0の紙地図を20年ほど前に役所からもらっていたのですが、折角なのでGISで土地の所在を管理してみようとジオリファレンスを使ってみることにしました。

環境:QGIS1.8-Lisboa on WindowsXP-32bit

1.座標を知るための背景図を表示
国内なら基盤地図情報2500が最高なのですが、未公表地域のためGoogleMapを背景として使用します。
GoogleMapは「OpenLayers Plugin」で開くことが出来ます。
他にもWMSミニドライバを使う方法などもあるようです。
Plugin: OpenLayers Plugin(公式サイト)
QGISでGoogleMap等の表示<WMSミニドライバを使う>
QGISで電子国土基本図

2.パス名に2バイト文字は禁物(QGIS1.8)
ジオリファレンスをする元の画像、GeoTiff(or Wldファイル)の保存先に2バイト文字(全角)が入っているとエラーになります。QGIS1.8を使われる方は特にご注意下さい。

3.ジオリファレンサーの起動
ジオリファレンサーの起動
「地球儀マーク」のアイコンをクリックするとジオリファレンサーが起動します。

4.ラスタを開く
ラスタを開く
ツールバーの「ラスタを開く」か、メニューのファイル→ラスタを開く

5.空間参照システム選択
GeoTiff(or Wldファイル)に叩き込む座標の測地系を設定します。
ちなみにOpenLayersPluginでGoogleMapを読み込んだ場合はEPSG:3587にすると良いでしょう(多分)。
なお、角度単位の測地系を指定した場合、後工程の座標入力の際に1/100度単位に丸められてしまうことがあるようなのでご注意下さい。

6.「GCP」の入力
(1)ジオリファレンサーのツールバー「ポイントの追加」をクリック。
(2)ラスタ画像上で位置がわかっている場所をクリック。
(3)(2)の場所の座標を入力。
GCPの入力
「マップキャンバスから」を使うと便利。
→ 一部でうまくいかないとの情報もありますが、私の環境では動作しました。
(4)1~3を最低限3カ所繰り返す

私は、道路の交差点や三角点など、背景図・ラスタの両方ではっきりとわかる場所でGCPを入力しています。

7.変換の設定
(1)ジオリファレンサーのツールバー「変換の設定(スパナマーク)」をクリック。
(2)変換タイプ・再サンプリング方法・圧縮方法を適当に設定する。
→ 私はそれぞれ、線形・最近傍・NONEでやりました。
(3)出力ラスタ:出力するGeoTiffの保存先・ファイル名を設定します。
(4)ターゲットEPSG:よくわかりませんが「5.空間参照システム選択」で設定したものと同じにした方がよさそう。

8.変換の実行:ツールバーの「ジオリファレンシングの開始」を押す

さて、うまくいきましたでしょうか?

<参考>
QGIS によるジオリファレンス(幾何補正について)PDF
QGISでジオリファレンス