親の実家に帰省したついでに、前から気になっていた露頭に寄ってみた。
場所:岡山県赤磐市山陽町
みての通り山砂利の露頭です。
岡山県に露出する山砂利については、従来は固結度など漠然とした理由から前期更新統とされていましたが、最近では山砂利層を「吉備層群」と定義し、山砂利層中の凝灰岩層のFT年代などから古第三系とされています(鈴木ほか、2009参照)。
で、この露頭の場所も古第三系の吉備層群と思ったのですが、地質図NAVIを見ると前期更新統になっているようです。
ただ、田中ほか(2003):PDFの第2図を見ると未分類の吉備層群となっているように見えるので、このあたりはあまり研究されていないのかもしれません。
さて、このあたりの現河川の砂川流域はほとんどが花崗岩地帯で、河床は河川名の通りアルコース質な砂からなっています。一方で、露頭の礫層には溶結凝灰岩の礫が大量に含まれていました。このことと、溶結凝灰岩の分布から、露頭の礫層は現在の砂川の源流よりもより北側(上流側)から礫が運ばれてきたことがわかります。そして、礫層が堆積してから現在までの間に河川の流路を変える何らかの出来事があったのでしょう。
「河川の流路を変える何か」で最初に思いつくのは、断層運動による地殻変動です。
もしかしたら礫種が変化した年代がわかれば、中国山地の地殻変動の歴史を明らかにすることができるかもしれません。